奈良と薬の関わり

奈良と薬の関係は古く、推古天皇がこの地方で薬狩りをされたという記録まで遡ります。そして東大寺正倉院には当時の薬が収められており、寺社と薬の深い関係もうかがい知ることが出来ます。中でも吉野には、修験道総本山として知られる金峯山寺があり、大峯山で修行する山伏たちが薬草を煎じて薬を作り、それが市中に出回って普及しました。江戸時代になると販売方法が確立され、「大和の置き薬(配置薬)」として全国に流通するようになりました。

また、なぜ奈良で薬の生産が盛んになったかというと、中国との交流によりノウハウが取得できたこと、寺社による施薬、優良な生薬が採れたことがあげられます。代表的な生薬は大深当帰(大和当帰)、大和芍薬、赤矢地黄、牡丹皮、川芎などがあり、自生する生薬も含めて奈良県の代表的な産業のひとつになっています。

 

吉野のくすりマップ